『十角館の殺人』を読んでみた

こんにちは、はるばぁです。
漫画が好きで、気がつけば電子書籍の冊数が四桁を超えていて驚きました。
せっかくなので良かったもの、もそうでもなかったものも(笑)ご紹介していければと思います。

十角館の殺人

原 作:綾辻行人
漫 画:清原絋
発 行:㈱講談社
発刊数:1~5(完)

はるばぁの評価

人物作画 :★★★★☆
背景作画 :★★★★☆
ストーリー:★★★★★
おすすめ度:★★★★☆

作品導入部

K**大学ミステリー研究会。メンバーは敬愛して止まぬ欧米のミステリ作家の名前を代々襲名するのが慣わし。
メンバーの〈エラリイ>〈カー〉〈ルルウ〉〈ポウ〉〈アガサ〉〈オルツィ〉は、携帯電話も圏外の無人島『角島』へとやって来る。
一週間後に迎えの船が来るまで島から出ることも外部と連絡を取ることも出来ない状態だ。
しかし彼等はミステリ好き。この島で半年前に起きた謎の四重殺人事件に興味を持っていた。

その事件とは、建築家の中村青司が自ら設計した角島青屋敷と呼ばれる屋敷が全焼する火事があり、焼跡から四人の死体が発見された。四人は屋敷の持ち主である中村青司・妻の和枝・住み込みの使用人夫婦。

四人の死体からは相当量の睡眠薬が検出され、しかもその死因が一様ではないと分かった。
使用人夫婦は自分達の部屋で二人共ロープで縛り上げられたうえ、斧で頭を叩き割られていた。
当主の青司は全身に灯油をかけられており、明らかに焼死。同じ部屋で発見された和枝夫人は何かひも状の凶器で首を絞められての窒息死と判明した。加えてこの夫人の死体は左の手首から先を刃物で切り取られており、その手首は焼け跡のどこからも発見されなかった。
犯人は事件前から泊まり込みで来ていた庭師とされており、現在も行方不明となっている。

ミス研のメンバー達は、角島青屋敷と同じく中村青司が設計した『十角館』と呼ばれる屋敷に向かう。
そこで先にこの島に来て業者による清掃など、滞在の準備をしていた〈ヴァン〉と合流する。
この十角館はヴァンの伯父が最近手に入れたもので、行く気があるなら伯父に頼んでもいいというヴァンの提案で、この島に来ることとなった。

翌日の朝、ホールの中央のテーブルの上にプレートが置かれていた。
『第一の被害者』から『第四の被害者』までの四枚と『殺人犯』『探偵』の計七枚が。

その頃元ミス研のメンバー江南あきらの元に手紙が届く。差出人は中村青司。その内容は『お前たちが殺した千織は私の娘だった』と言うもの。
千織というのは一年以上前にミステリ研究会で行われたクルーズで船が海難事故に遭い死亡している。
これは死者からの告発。
興味を持った江南は、中村青司の弟に会いに行くが…。

感想

殺人事件・ミステリ・サスペンス物。
人物画・背景画共に美しい。そしてこの画力があってこそ、この作品を漫画という媒体で世に出すことが出来たと言っても過言ではないと思う。
ストーリーも素晴らしい。複雑に折り重なる殺人。キャラクター一人一人の思いや行動の意味。何故その殺人は行われたのか。

あらゆる部分が緻密に作られていて、これぞミステリと称賛したくなる作品だと思う。
ミステリ好きには是非とも読んで欲しい作品で、原作を既に読んだという人にも読んで欲しい。原作を読んでいる人なら尚更、この作品を漫画にすることの難しさを理解してもらえると思う。

注意としては画力があるがための弊害というか…、描写にインパクトがあり過ぎること。
いくつも起こる殺人事件は時にかなり猟奇的で、その描写を高画力で表現されるとどうなるか。
はい、ご想像のとおりです。
はるばぁがお勧め度を星5つに出来なかった理由は、それに尽きます。

最後に。
ミステリ好きには是非是非読んで欲しい作品。
ストーリーも絵もしっかりと楽しめる作品だと思う。
特にジャンルにこだわりがない人も、満足度の高い作品を探しているならこの作品をお勧めします。
殺人事件が苦手な人は、タイトルからして選択肢に入らないと思うからいいんだけど、殺人事件は大丈夫だけどあんまりグロテスクなシーンは苦手という人はにはお勧めしません。ホントに画力高過ぎでグロイです(汗)

はるばぁのひとりごと

小学生の頃よくポストに入ってきた売り物件とか賃貸物件のチラシを見るのが好きだったはるばぁ。
夏休みの自由研究で、自分の住みたい家の間取り図を何種類も作って提出したこともあったよ。
純和風で広い庭があって、その庭には小さな橋がかかった池があって、玄関アプローチには飛び石があって…という、今思えば小学生にしては随分と渋い家も書いてたなぁ(笑)

その頃は建築士っていう職業があることも知らなくて、こういうのを作る人になりたいなと思っていたけど、そこ小学生。あっという間になりたいものが変わっていって、いつの間にか家を設計する人は消え去ってた(汗)

けど不思議なもので、今でも物件の間取り図とか見るのが好きで、でも建築物そのものにはあんまり興味がないっていうのは変わってないなぁと。

最近興味を持ち始めたのがお城。以前は西洋のお城が好きで、いつかヨーロッパに行けたらいいなとか思ってたけど、日本のお城もいいことに気づきはじめたみたい(笑)

何はともあれ、いくつになっても興味を持つのはいいことだと思う。
興味を持って知ってみて、それで自分には合わないって思ったら、それもまた一つの発見。
そうやって取捨選択を繰り返していくうちに、いつか自分の『好き』で満たされた人生が作られていくとはるばぁは信じてるからね。